イチョウの黄葉。

色づく時期、散ってしまう時期はそれぞれの木によってかなりの差が出るが、
どうも日当たりの良いものほど色づき・落葉とも早いらしい。

西日に輝く遅咲きのイチョウ,PENTAX K20D + Carl Zeiss Jena FLEKTOGON 2.4/35

PENTAX K20D + Carl Zeiss Jena FLEKTOGON 2.4/35

並木の中に、師走の西日に輝くイチョウの木があった。
南側には松林と住宅街があり、日当たりは比較的良くないのだろう。

あたり前のことだが、人々の愛でるイチョウは花ではなく黄金色に色づく黄葉。
「遅咲き」という表現は若干憚られたが、あえて使うことにした。

逆光、西日に輝くイチョウ

PENTAX K20D + Carl Zeiss Jena FLEKTOGON 2.4/35

葉の隙間からの西日とは言え、真逆光。
そこを露出を上げて強引に絵に・・・。

空の青は潔く白く飛ばした。
梢の葉は、ハレーションを起こしたように少し空に溶けてしまった。

銀塩写真を撮る者にとっては、ハレーションとはネガティブなものだ。
フィルム写真に長く親しんだ人なら、なおさらその負の印象は拭えないことだろう。
強い光はフィルム内部で反射して再感光を起こし、周りを白く溶かしてしまう。

随分と前のある冬の日、「写るんです」で撮った雪景色でのセルフポートレート・スナップ(笑)は
雪面の眩い光によって、ハレーションで真っ白になってしまった。
おまけに、前後のコマの端まで白んでしまったのをよく覚えている。

散りイチョウ,PENTAX K20D + Carl Zeiss Jena FLEKTOGON 2.4/35

僕が初めて手にした一眼レフは、小さめの銀塩カメラだったが
今ほど写真を撮ることはなかったし、それほどフィルムに親しんだわけでもない。
だからだろうか、僕にとっては「ハレーション」という言葉のもつ印象、語感は心地よい。
日本語の「晴れ」に通じるからだろうか。
それは分からないが、僕と同じように感じる人もまたきっといることだろう。

散り銀杏,PENTAX K20D + Carl Zeiss Jena FLEKTOGON 2.4/35

先月下旬、日当たりの良くないところでなかなか色づかないでいるイチョウの木、
それを見て人々はどう感じただろう。

師走の空を僅かながら賑わす遅咲きの黄葉・・・。
その、言わば季節に出遅れてしまった彩りを愛でる人は、どれくらいいるだろうか。
僕はそれに親しみを感じずにはいられない。


日々のささやかな彩り…花鳥風月,街角スナップ,そして子供たち。
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